生前贈与?相続?どっちが得?!

文書作成日:2016/10/05

毎年贈与税を納めることは相続税対策になりますか。

友人は相続税対策のため、毎年両親より多額の資産の贈与を受けて、贈与税を納めているようです。相続より贈与の方が税金の負担が重いと聞いたことがあるのですが、毎年贈与税を納めることが相続税対策になるのでしょうか?

贈与する財産の額やタイミング等を上手くコントロールすることで、相続税対策になる場合があります。

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間で贈与を受けた財産に対して課される税金で、財産の贈与を受けた方(受贈者)は、その年1年間に贈与を受けた財産について翌年3月15日までに贈与税を計算して申告納付しなければなりません。ただし贈与税には、相続時精算課税制度を選択していない限り、受贈者1人につき年間110万円の基礎控除が設けられているため、贈与を受けた財産のうち110万円までの部分には、贈与税は課されません。
また、贈与税、相続税ともに、超過累進税率を適用しており、課税される財産の額が多ければ多いほど、高い税率が適用される仕組みになっています。贈与税と相続税の計算方法が異なるため、一概に比較はできませんが、課税される財産の額が同じであれば、贈与税の方が相続税に比べて税率が高いため、見た目には贈与の方が不利と考えられがちです。

しかし、贈与税には年間110万円の基礎控除があります。10年生前贈与すれば1,100万円分を非課税で贈与できます。また、将来相続税の税率が30%となるような場合には、贈与税として20%課されてもその差10%分税の負担が減ります。
さらに、贈与は相続と違い、贈与する財産の額や受贈者、タイミングなどをコントロールすることができます。納付すべき税額、適用する税率を計画通りにコントロールできる点も贈与のメリットの1つです。
ただし、贈与を行う際には「連年贈与」に注意が必要です。「連年贈与」とは、当初より1,000万円を数回(数年)に分けて贈与する、ということが約束されているような場合をいいます。この場合には、1年ごとに贈与を受けるとは考えず、贈与1年目に定期金に関する権利(数年に渡り合計1,000万円贈与を受ける権利)の贈与を受けたものとして課税されます。「連年贈与」と認定されないためには、贈与契約書を都度締結する、毎年贈与する額を決める、毎年贈与する財産を決めるなどのプロセスも大切です。
また、せっかく相続税対策として行った贈与が「名義預金」とみられてしまえば、贈与とは認められず相続税の課税対象となってしまいます。「名義預金」と認定されないための対策も重要です。

では、贈与を利用した相続税対策を、以下具体例で確認してみましょう。

(具体例)
妻、子供2人相続人 計3人財産額3億円
毎年200万円ずつ3人に10年間贈与した場合(合計6,000万円)

ただし、相続開始前3年以内に相続人に対して行った贈与は、相続税の課税対象になります。したがって、直前の対策では相続税の課税を免れません。贈与はコツコツと長期間にわたって行うことで、大きな対策となります。計画的に進めることが大切です。

<まとめ>

  • 毎年受贈者1人当たり110万円(基礎控除額)までは、贈与税が課税されません。
  • 贈与にあたりタイミングやあげる財産額、適用税率などを計画的にコントロールすることにより、“相続開始時までに支払った贈与税額の合計額<贈与実行後の相続税負担減少額”とすれば相続税対策になります。
  • 連年贈与には注意しましょう。
  • 相続人への相続開始直前(3年)の贈与は、相続税対策になりません。

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